あるM&A案件が、ひとまず一区切りついたので、その記録です。

■きっかけは、NBRのメルマガでした

今回のM&Aの発端は、仲介会社NBRから届いた一通のメルマガでした。
(NBRウェブサイト→https://nbrllc.jp/
NBR代表の小西先生は、独立される前の銀行員の時代からお世話になっている先生です。

案件紹介はごく端的なものでしたが、内容を見て「これは」と思い、すぐに顧問先に提案。
メールを送ったのが8:00頃、8:15には「秘密保持契約を結びたいです」と返信があり、そのまま小西先生に連絡しました。
そう動いたのは、顧問先が抱えていた課題──拠点不足、人材難、販路の脆弱さ──に合致していたからです。

■想定外の前向き

提案先は若手社長の企業で、当然M&Aは初めての経験。ただ、反応は意外とポジティブでした。
会長も「授業料だ」と割り切り、幹部社員も「面白そう」「やってみたい」と前向きに受け止めてくれました。
幹部社員はDDにも付き合ってくれました。
結果的に、社内の空気が少し明るくなったのは、M&Aの“予期せぬ副産物”だったと思います。
とはいえ、心の弾みだけで乗り切れるほど、M&Aは甘くなかった-。

■歪みと歩み

今回の手法は「会社分割+株式譲渡」。
私は調査や交渉の場に何度か同席しましたが、印象に残っているのは、その工程の泥臭さです。開けてみれば、いろいろと出てくる。
たとえば、建設業許可の専任技術者が通勤圏に住んでいないと許可が維持できないため、引っ越しが必要になるといった話も。
また、会社分割の条件として売手社長の退任が求められたのですが、そもそも営業面ではその社長の剛腕にかなり依存しており、退任後に企業価値をどう保つのか、非常に悩ましいポイントでした。
買手の社長は太陽のような人ですが、M&Aという暴風には、さすがに照らしきれない場面もありました。
社内でも反対意見が上がり、価格調整の交渉も相当激しいものになりました。

■仲介者ではなく思想を持った支援者でした

こうした場面で、NBRの小西先生の存在は極めて大きかったと思います。
私たちの立場を冷静に整理し、売手や活性化協議会と調整・交渉してくれたことで、我々の要望もかなり通していただきました。
M&Aは感情と論理のあいだを行ったり来たりするものですね。その橋渡しを担う仲介者の役割は、単なる“紹介業者”ではありませんでした。

小西先生は、M&Aを企業再生の“道具”にすぎないと明言されていました。
重要なのは、買収された会社が自立して利益を出し、社員が納得できる働き方を継続できる状態をつくること。
その原則が常にぶれなかったことも、今回のプロセスを支える土台になったと感じています。

■収益化は、ここから

M&Aというプロセスは完了しましたが、正直、まだ「成功」とは言えません。
買収金額が高かったのか安かったのか、それはこれからの実績次第です。
在庫評価が100万円前後ずれることもありましたが、正直それ自体は本質ではなく、
問われるのは「ここから、いくら利益を出せるのか」「どんな事業をつくれるのか」です。
一段落ついたとはいえ、ようやくスタートラインに立ったところです。